2026年8月06日

「銀歯が入っていると金属アレルギーになりますか?」
このようなご相談をいただくことがあります。
歯科治療で使用される銀歯などの金属は、体質やお口の環境によっては、金属アレルギーに関係する可能性があります。
しかし、銀歯が入っているからといって、必ず金属アレルギーになるわけではありません。
また、湿疹などの症状がある場合でも、銀歯だけが原因とは限りません。
今回は、銀歯と金属アレルギーの関係、主な症状、検査方法、金属を使わない治療について解説します。
歯科金属アレルギーとは?
歯科金属アレルギーとは、詰め物や被せ物などに含まれる金属に対して、身体の免疫が過剰に反応する状態です。
銀歯などの金属は、お口の中で唾液や飲食物に触れ続けます。その過程で、ごくわずかな金属成分がイオン化して溶け出すことがあります。
溶け出した金属イオンが体内のたんぱく質と結びつき、身体が異物として認識すると、アレルギー反応を起こすことがあります。
歯科治療で使われる金属材料によって、アレルギー性接触皮膚炎などが生じる場合があることは、日本歯科医師会からも案内されています。
銀歯にはどのような金属が含まれている?
一般的に「銀歯」と呼ばれている詰め物や被せ物には、銀だけが使われているわけではありません。
治療した時期や材料によって異なりますが、複数の金属を組み合わせた合金が使用されていることがあります。
代表的なものには、次のような金属があります。
ただし、見た目だけで、どの金属が含まれているかを正確に判断することはできません。
歯科金属アレルギーの主な症状
歯科金属アレルギーの症状は、お口の中に現れる場合と、お口から離れた皮膚に現れる場合があります。
お口の中に現れる症状
ただし、これらの症状は、むし歯、歯周病、入れ歯の刺激、口腔乾燥、感染症などでも起こることがあります。
皮膚に現れる症状
歯科金属に対するアレルギーが、掌蹠膿疱症などの皮膚症状に関係することも報告されています。ただし、すべての症例で歯科金属が原因になるわけではありません。
銀歯があるだけで、すぐに外したほうがいい?
銀歯が入っていても、症状がなく、問題なく使用できている場合は、金属アレルギーを心配してすべて外す必要はありません。
また、湿疹やかゆみがあるからといって、自己判断で銀歯を外すこともおすすめできません。
皮膚症状には、アトピー性皮膚炎、洗剤や化粧品によるかぶれ、食物や薬剤、汗、感染症など、さまざまな原因があります。
銀歯を外しても原因金属が含まれていなければ、症状が改善しない可能性があります。治療によって歯を削る必要が生じたり、費用や通院回数が増えたりすることもあります。
そのため、基本的には次の流れで確認します。
金属アレルギーはどのように検査する?
金属アレルギーの検査では、主に皮膚科で行われる「パッチテスト」が用いられます。
パッチテストでは、原因として疑われる金属の試薬を背中などの皮膚に貼り、一定時間後の皮膚反応を確認します。
日本歯科医師会でも、金属アレルギーの検査方法として、48時間閉鎖型パッチテストが多く採用されていると紹介されています。
ただし、パッチテストで陽性になった金属が、必ず現在の症状の原因とは限りません。
検査結果だけで判断するのではなく、症状の経過や使用されている歯科材料などを総合的に確認することが大切です。
金属アレルギーが疑われる場合の歯科治療
検査によってアレルギーの原因となる金属が特定され、その金属がお口の中の詰め物や被せ物に含まれている可能性が高い場合は、金属を使用しない材料への交換を検討します。
主な材料には次のようなものがあります。
コンポジットレジン
歯科用の白いプラスチック材料です。
比較的小さなむし歯であれば、金属を使わずに歯へ直接詰めることができます。
ただし、むし歯の大きさや場所、噛む力によっては適さないことがあります。
CAD/CAM冠・CAD/CAMインレー
レジンとセラミックを混ぜたブロックから、コンピューターで削り出して作る白い詰め物や被せ物です。
金属を使わないため、金属アレルギーが心配な方の選択肢になります。日本歯科医師会でも、CAD/CAM冠は非金属材料として紹介されています。
適用できる歯や保険診療の条件は、お口の状態や使用する材料によって異なります。
セラミック
陶材を中心とした、金属を使用しない白い材料です。
天然歯に近い透明感があり、変色しにくいという特徴があります。自費診療となることが多いですが、見た目と金属を使わないことの両方を重視する方に選ばれています。
ジルコニア
強度の高いセラミック材料です。
噛む力が強くかかる奥歯にも使用できる場合があり、金属を使わずに被せ物やブリッジを作る選択肢になります。
ただし、どの材料にも長所と短所があります。
噛み合わせ、歯の残っている量、歯ぎしりや食いしばりの有無などによって、適した材料は異なります。
金属を外せば症状は必ず治る?
原因となる金属を除去しても、すべての方の症状が必ず改善するとは限りません。
皮膚症状に複数の原因が関係していることや、改善までに時間がかかることもあります。
日本皮膚科学会のガイドラインでは、パッチテストで陽性になった金属が歯科金属に明らかに含まれている場合に、除去を検討する考え方が示されています。
大切なのは、検査結果と症状、お口の中の金属の種類を確認したうえで、皮膚科と歯科が連携して治療方針を決めることです。
このような方は一度ご相談ください
当院では、銀歯の状態やむし歯の有無、噛み合わせなどを確認し、お口の状態に合った治療方法をご提案します。
金属アレルギーが疑われる場合には、必要に応じて皮膚科での検査をご案内し、検査結果を確認したうえで治療を検討します。
まとめ
銀歯に使用されている金属が、金属アレルギーの原因になる可能性はあります。
一方で、銀歯が入っているすべての方にアレルギーが起こるわけではありません。また、湿疹や口内炎があるからといって、必ず銀歯が原因とは限りません。
症状がある場合は、自己判断ですべての銀歯を外すのではなく、まず皮膚科などで検査を受け、原因となる金属を確認することが大切です。
志賀本通たくみ歯科・矯正歯科では、保険診療の白い材料からセラミック、ジルコニアまで、お口の状態やご希望に合わせた治療方法をご案内しています。
銀歯や金属アレルギーについて気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。