なぜ予防が必要なのか

実は私達、歯科医師が考える最も良い歯とは、何も治療をしていない歯です。
一度治療をした歯を再度治療したご経験のある方も多いと思います。
むし歯や歯周病になってしまった場合、治療にはお金も時間もかかってしまいます。
特に治療した歯の長持ちを目指すための精密な治療をする場合は、全体的な検査・診断・治療が必要ですので、十分な時間をとっていただく必要がありますし、簡素な治療では、また治療が必要になり、結局お金も時間も無駄になってしまいます。
多くのむし歯や歯周病は未然に防ぐことが可能です。そのための方法も現代ではだいぶ分かってきました。
当院では、最新の知見とともに通ってくださる皆様それぞれの状況に配慮し、ベストな予防方法をご案内いたします。
人生の最後まで美味しくご飯を食べ、笑顔で家族・友人の方々と楽しく会話をするために予防歯科を始めてみませんか？

どう予防していくのか?

予防歯科は大きく3つのステップに分かれます。

• ホームケアの確立
• 精密な治療
• 定期的なメンテナンス

ご自宅で行うホームケアの確立

ホームケアの確立とはただ単に歯を磨くことだけではなく、喫煙習慣やおやつの食べ過ぎなどの食習慣を治していき、日々の生活でむし歯や歯周病になりにくい行動が取れるようになることを言います。
患者様と私達の二人三脚で予防できる環境整備をしていきます。
少し大変な部分もありますが、毎日の積み重ねが最も大事な土台になってきます。
お話をしっかり聞かせていただいて、ご希望に寄り添いながらホームケアを確立していきます。

精密な治療

予防歯科で治療が必要と言われると不思議に思うかもしれませんが、予防のためには精密な治療が必要不可欠です。
例えば治療をした被せ物と歯の間に隙間があれば、どんなに頑張って歯磨きをしても汚れは残ってしまいますし、親知らずが磨きづらい環境を作ってしまっているならば、親知らずを抜かずに磨いても、むし歯は予防できません。
このステップでは、毎日のホームケアと定期的なメンテナンスで、しっかりと予防効果を出すための環境整備を行っていきます。
この治療のステップは私達の仕事ですので、私達に任せていただいて結構です。
なるべく痛みなく、削る量が少ない精密な治療をしていきます。
（精密な治療は保険外診療となることが多いです。ご理解ください。）

定期的なメンテナンス

3つ目のステップは定期検診です。
ホームケアの確立と精密な治療という二つの土台があってこそ、大きな効果を発揮します。
毎日の歯磨きだけでは汚れが取りきれない部分をしっかりとクリーニングしていくと同時に、定期的な記録をいただいて皆様のお口の中の情報を共有していきます。
期間もそれぞれで、例えばインプラント治療をした場合はしっかりと3カ月ごとの来院が推奨されますし、患者様によっては半年や1年間に一度のペースを推奨することもあります。

予防をすればどういう良い点があるのか？

なぜ私達は予防を推奨するのでしょうか？

一つは費用の面で、従来の治療型の歯科医療より、予防型の歯科医療の方が優れているからです。
治療をして被せ物をして、ダメになったら抜いて入れ歯を作って、といった従来型の歯科医療では保険診療でも生涯でおおよそ450万程度治療費がかかると言われています。
ですが、予防型の歯科医療において、保険の効かない精密なメンテナンスで60年間予防に通っても、費用は360万円程と言われています。
入れ歯になってご飯も美味しく食べれない上に、歯が残ってる人より100万円程損をしてしまうのは、とても勿体無いことだと思います。
もう一点は、時間の面での違いです。
例えば、むし歯で歯の神経の治療をすると、一本の歯の治療が終わるまでに何度も通うことになります。
予防型の歯科医療では、メンテナンスに移行できる環境が整えば年4回ほどのクリーニングで十分健康を維持できます。
もし治療が必要になっても少ない回数で終わることが多いです。
また、近年の研究では、残っている歯の本数が多い方が要介護の期間が短いことが示唆されてきています。
全身的に健康で長生きするためには、何でも噛めて、しっかりと栄養が取れるお口の中の環境は今後さらに重要になってくると考えられています。
これらの点を踏まえて、皆様の長期利益のために私達は自信を持って予防歯科をおすすめしています。